未だに絶賛入院中なんだが、少しずつ作業ができるようになってきた。
自宅からPCも調達できるようになって出来ることが増えて来たことに感動。笑— なかがわ (@nkgw_official) 2018年8月15日
ということで時々Twitterでつぶやきはしていましたが、
なんと私なかがわ、現在入院しております。。
症状は脳挫傷。
頭蓋骨を骨折し、その影響で脳の前頭葉の一部を傷つけてしまいました。
仲間の動画編集を手伝ってあげられず、まじで申し訳ない気持ちでいっぱいですわ。。
ってことで、ここは俺のサイトなので、
自分が入院した経緯や、脳挫傷の危険性、これから気をつけるべきこと(皆にも気をつけてほしいこと)などをつらつらと綴っていければなと思っています。
今回の事故で、五感の1つが無くなりました

さらっと書くべきことじゃないかもしれませんが、実はこの記事を書いている時点で、
僕は嗅覚を失っています。
1週間ほど意識不明の状態が続いていたのと「味覚」は健全な状態なので、嗅覚だけ無くなっていることに気づいたのは先週末だったのですが、発覚した時は非常に驚き、これからどうしようと絶望したものです。
例えば入院しているので、朝昼夜に食事が配膳されるわけですが、
添えられているレモンの匂いを嗅いでも全く酸味が伝わってこない。
でも実際に食べると酸っぱいのが分かる、という状態です。
ちょっと贅沢な話かもしれませんが、半月前に「数ヶ月前から予約しないと入れない」と言われている鎌倉の料亭でうなぎを頂いたのですが、あの時はうなぎを焼いた香ばしい匂いでよだれが止まらなくなったものです。
もちろん味も美味しかったのですが、
「香り」で感動することがもう二度と出来なくなるのか、、
これからだんだん、大好きだったうなぎの匂いも忘れていくのか、、と思うと悲しい気持ちになることは言うまでもありません。
8月1日、駅の階段での転倒で発生した脳挫傷

自分の現時点の気持ちをまとめたところで、事の発端について記していこうと思うのですが、元々は朝のラッシュ時に使っていた駅の階段で転倒してしまったところから始まります。
その時に頭の打ち所が悪く、転んでから意識を失ってしまい、8月1日の朝だったはずが気付けば日付は変わっており見知らぬ病院で横たわっていました。
更に目の前には両親が自分を心配そうに見ていることまでは分かったのですが、何故か「考える」ことができず、思っていることを口にしようとしてもそれが伝わりません。
それに苛立ちを感じ、余裕が無くなり、何故か両親に大声で叫んでいたのはうっすらと覚えていますが、何を叫んでいたのかまでは覚えていません。
そして酷い事に、癇癪を起こして大声で放った叫びが更に脳に負担が掛かったらしく、全身痙攣を引き起こしてしまい、それ以降また意識を失います。
ちなみにこの段階ではスマホを持っていても仕事上での関わりの人に連絡をする余裕は全くなく、プライベートの友達の中で連絡が取れないことを心配してくれた何人かに1行単位で返信するのがやっとでした。
前述の通り、言葉でのコミュニケーションはできてなかったにも関わらず、というかむしろ自分でもこの時期のLINEの返信した覚えはなかったのですが、なぜか文字ではしっかり返せてたという不思議。。
8月6日以降、意識を取り戻す時間が増えてくる

それから知らない間に1週間ほどの期間が流れていきました。
明確に意識が戻って来た実感が出てきたのは8月2週目(6日以降)でしょうか。
それまでは起きていても体を動かす事ができず、相変わらず考えると頭が痛い状態だったので、スマホの通知は全ておやすみモード(通知が来ても震えない設定)にしていました。
ただ、この段階からようやく「意識を失っている」「伝えたい事が伝わらない」という状態から脱却できるようになってきます。
LINEでの連絡ならスムーズに出来るようになってきたので、この段階でそこそこ大勢の人に自分の状況を連絡しようと考えるようになります。
意識が戻ってきたことにより「流石にビジネスマナーに則った返信もできるだろう」という気持ちにもなったので、このタイミングでクライアントへの連絡も行うようにしました。
仕事用のメールボックスをiPhoneで確認すると、問い合わせも既にかなり入っていたので、最初は結構不安だったんですよね。。
だって逆の立場だと絶対怖いもん。事故とはいえ依頼しておいて音信不通になるのなんてさ。。。
でもそんな不安はすぐに吹き飛ぶぐらい、クライアントの皆さんが温かい方で嬉しかったです。
約1週間ほど連絡が取れなかった状態が続いたのに、みんな、僕の状況を心配して頂けて、、、
納期も大丈夫だよ、回復が優先だよと言って頂けたのが印象に残ってて「この人たちと一緒に仕事ができて良かった」とウルっと来た瞬間も正直ありました。
この場での挨拶となりますが、
音信不通の状態が続きご迷惑おかけして申し訳ありません。
そして長い間お待ち頂き、本当にありがとうございました。
必要以上の時間を頂く形になった借りは、必ず何か別の形で返します。
8月10日、嗅覚を失っていた事が発覚

このタイミングになると車椅子も外れ、1人で歩く事が出来るようになります。
意識は明確になり、病室での生活であることに代わりはありませんが、ほとんど私生活と変わらないようになってきました。
ただ、このタイミングで主治医から気になる台詞を耳にするようになります。
その時は具体的に何について言っているのかは分からなかったのですが、
詳しく聞いていくと、前頭葉の中でも自分が傷つけたポイントは嗅覚を司っているポイントらしく、その中でも重要な2つの神経に深刻なダメージがある事が分かったとのこと。
そしてそのうちの1つは明らかに死んでいるため、残りの1つも同じように死んでいたら嗅覚は一切無くなっている、という内容でした。
確かに言われてみれば家から持ってきてもらったシャンプーの匂いを嗅いでも、好きな香りが一切しない。
そういえば入院中トイレは共同なのに「臭い」と思った事が一度もない。
などなど、ポジティブ・ネガティブな両側面から見ても
「嗅覚」に関しての情報がここ数日一切ないことに気付きました。
「ま、まぁ病院だしニオイが強いものが少ないのもあるからだろう。」
「そもそも鼻が詰まってるのかもしれないしな。。」
と、出来るだけ悪い方向に考えないようにしていました。
ただ、精密検査をしていくにつれ、今の自分に嗅覚が無いことを突き詰められる結果となるわけで…。
結果が分かった時は色々とがっかりしました。
そこで「無臭」と答えたらその薬品を注射された。笑
すると数分間、その薬品のにおいが体臭として発散されるから、体臭を感じたら教えてくれと言われる。
で、ずっと待ってても一向に体臭を感じないから「大体いつ頃体臭って出てくるものですか?」って質問したところ、そのテストは即終了となった。
そしてその体臭に全く気付かず、医師や看護師が全員既にニンニク臭さにやられていたという。。。
「これは確かに嗅覚失ったのかも…」とがっかりした瞬間でした。苦笑
8月15日、嗅覚以外のリハビリは順調。退院も見えてきた?

脳のリハビリということで、パズルだったり数字や言葉の記憶トレーニングなども並行して行っているわけですが、こちらは比較的順調。
強いていえば「処理速度」に関しては健常者と比べてまだ劣っている部分もあるらしいんですけど、まぁ誤差の範囲内だろうという比較的ポジティブな回答を頂けた形で今日までのリハビリは終了しています。
当初は言いたいことが伝わらない状態だったので怒ってばかりだったらしい(というかそもそも意識自体無い)のですが、主治医の人とも普通に話が出来るようになったため「あの時は大変だったんだよ〜」という話も色々聞かせてもらいました。
そして(8月1日頃の)意識を失っていた頃の話を詳しく聞いて色々絶望したのは言うまでもない。苦笑
この病院には多大な迷惑をかけてたんだなぁと思いながら、それでも笑顔で接してくれる主治医・看護婦の方々には本当に頭が上がりません。
俺、絶対に退院してもこの病院に通いつめて病院の利益になる行動をとるぞ(なかがわ金ヅル説)
さて、一通り話を聞かせて貰ったあとで、ついに「退院」についての話も聞かせて貰えるように。
スムーズに行けば「来週末」とのことで、脳に関することだからすぐには治らんだろうと思っていたら意外と期日も明確になってきてホッとしています。
頭への衝撃はやはり危険。同じ過ちを起こさないために意識すべきこと

晴れて退院の日程は決まりつつありますが、五感の1つを失い、それが二度と取り戻せないのは紛れもない事実です。
なので記事を書く以上、自分のような人を1人でも減らすために、心がけるべきポイントを思い付く限り挙げていきます。
出来るだけ「無意識」の状態を作らない
今回の事件は朝のラッシュ時に起きたものですが、考えてみればお酒を飲んだ後など、酔っ払っているような「無意識」の時にこそ今回の事故は起きやすいものだよなと感じています。
「酔っ払って階段を踏み外して頭を打つ」というのことも普通にあり得る話でしょう。
お酒のトラブルは他にもたくさんあるかもしれませんが、ちょっとした飲み過ぎで五感の1つを失うなんて絶対に笑えないことですよね。。
お酒だけに限らず「無意識」な状態が今回のトラブルを引き起こす、ということも頭の片隅に入れておきたいものです。
自分も同じ事故を起こして嗅覚以外にも障害を起こさないように、本当に注意していかなきゃと考えています。
焦りが事故を引き起こすことを常に意識する
自分は階段を踏み外した訳ですが、時間に追われて焦っていた部分もあり、それが階段を踏み外したのではと考えています。
社会に出て働く以上、時間ギリギリの行動を取らざるを得ないシーンに出くわすこともあるかと思いますが、そういったときこそ平常心を保って、余計な事故を起こさないようにしなければと、病室で反省しています。
「嗅覚なし」で今の日本を生き抜けるのか?

文章も長くなってきたので、少しずつ結論に入っていこうと思いますが、やはり同じ症状のお持ちの方はこの問題にたどり着くのではないでしょうか。
五感(もう四感だけど)が欠けた状態で、今の社会をコンプレックスなしで生きていくことができるのか、という問いです。
自分の中では「まぁなんとかなるだろ。前よりは生きやすくなったはず」という気持ちです。
ちなみに「嗅覚なし」で生きていく際に、真っ先に生活で危険に感じたのは「ガス」でした。
滅多にそんな機会はないだろうでしょうけど「ガス臭い」ということが気づかなくなると、知らないうちに頭を痛めて意識朦朧になり、そして知らないうちにポックリ逝ってしまうのではないか、という被害妄想が頭をよぎったのです。
ただ、自分は基本的には自炊をしない人間なので、ガスの操作は最小限に抑え、入浴などに留めておくように考えています。
今ではお風呂で使うガス関連の機材はベランダや家の出入口等の外で管理している所が多く、幸い自宅もそのような構造だったため助かりました。
お風呂場に関してはあくまで一例ですが、こんな感じで部屋にガスが籠るというシーンを排除するような生活スタイルを心がけていく必要がありますね。
また、万が一(?)自炊をするようになったときのために調理で使うガスコンロをIHヒーターに変えるのも割とアリなんじゃないかと思っています。
IHはIHで色々とネガティブな部分も取り上げられていますが、自分にとっては「ニオイが分からないガス漏れ」の方がリスクなので、取捨選択してIHを選択するのもありなんじゃないかと、入院中色々考えるようになりました。
まぁこんな感じで「生きる上」で鍵になりそうなガスに対しては答えが見出せそうになったので、とりあえずは大丈夫かなぁと。
あとはあれやね。身だしなみ。
においが分からなくなってるからこそ、口臭だったり体臭だったりを気にするようにしなきゃ。
てかもうすぐ30代になるわけで、今後加齢臭とかし始めたらどうやって対策していけば良いんだろう・・・苦笑
俺の体が臭かったらマジで遠慮なく言ってくれ!!!笑
ということで20代後半に、まさかの「嗅覚」とお別れをすることになったわけですが、、、
う〜〜ん、これから大丈夫なんか?笑。まぁよくわからんけど頑張ろう。
そういうコンプレックス的な内容で気付いた事とかもあったら、随時更新していくようにしますね。
【8/29追記】
