ブロガーとしても作家としても知られているはあちゅうさん(@ha_chu)の小説「仮想人生」が発売されました。
惹かれるタイトルもそうですが、はあちゅうさんといえばSNSもフル活用されている方なので、よくあるSNS関係の話よりも更に踏み込んだストーリーになっているはずと思い、発売日に購入。
小説的な感じかな?と思って読み始めたけど、想像以上にSNSを動かしていく上でのヒントがたくさん散りばめられてる。
はあちゅうさんの仮想人生、今ガッツリ読んでます。#仮想人生 pic.twitter.com/kv7DL1Q8kl
— なかがわ@ブログ ライター サイト運営 (@nkgw_official) 2019年1月10日
そして読み終わったんだが、めっちゃ良かった。
ってことで早速仮想人生の感想や考えさせられたこと等まとめようと思います。
「仮想人生」ストーリーとしての感想

自分の中では「人妻の美香」ことユカ、「暇な医大生」こと裕二と、それとTwitterアカウントにはないけれど恭平の3人に対して色々と考えさせられました。
ユカが少しずつTwitterを知り始めて、欲望や本音を剥き出しにしながら発信しているTwitterの世界を学んでいく過程で得た「みんな表の世界では全然別の人格で生きているのだろう。現実世界で普通の人でいるために、こうやって息抜きをしているのかもしれない」という気付きが、とにかくこのストーリーの全てを物語っているような気がしています。
気軽につぶやける環境だからこそ、「現実世界の友達は見てないから」こそ、感情をそのまま発信できるのがSNSなのかもしれないですね(鉄平がリア友にアカウントを特定されてから思い通りに発信できなくなった例が物凄いリアルだった)。
そして思ったことを言えない鬱屈した現実世界だからこそ、「暇な医大生」が炎上した時のようなネット上の叩きがとんでもないことになる。
その時の裕二の心境は、SNSを第一線で運営している人たちにとって多かれ少なかれ頭をよぎることなのかなぁとか考えていました。
「多くの人が自分の人生に一ミリも関係のないことで、たくさんの時間を無駄にしているのだ」
この内容の通り、確かにTwitterで文句を言ったところで、自分のリアルに何か変化がある訳でもない。
なのに言いたいことをガンガン言う訳だが、これも現実世界では言いたいことが言えない押しつぶされた世界だからこそ、起きることなのかもしれない。
皆今の世界に何かしらの問題を抱えていて、理想の自分になるためにSNS上で仮想人生を始めるのかもしれないですね。
そして、登場人物の1人「恭平」もSNSを使わずに仮想人生を生きようとしてたのではないかと。
ストーリーの中では恭平はTwitterを使っていませんが、それでもユカとの平穏な夫婦生活を送る世界を作り上げようとしていたのかなぁとも思う訳で…。
(そもそも「恭平がTwitterを使ってない」とされてるのはあくまでストーリーの中で周りの人物がそう言及しているだけで、誰も恭平の真意は分からない。本当はSNSを使わない恭平を演じているだけかもしれない。そしてそこが一番面白い。)
恭平は幸せの定義を「全部リセットしたくなるような感じ」と表現していました。その仮想人生をリセットしてまた別の環境に身を置き、それを続けていくと…。
自分はこの感覚は全く分かりませんが、その幸せに向かって色々な仮想人生を考えていたのかなぁと思うと(彼目線の内容は言及されていませんが)この小説の中では欠かせない人物だなぁと感じています。
皆何かを隠して生きている。
俺だって2次元キャラクターのアカウントでやっていこうって思ってるしね。自分の場合は「お世話になった人から貰ったこのキャラクターを広めたい」っていうのが理由の1つにあるからなんだけど。笑
小説を読んで思ったことをまとめるとこんな感じでしょうか。
仮想人生キャラクターのTwitterアカウントがある

仮想人生の面白い所は「キャラクターの個人Twitterアカウントがある」という点です。
仮想人生公式アカウントがフォローしてる5人が本に登場してる5人でワロタ。この作り込み方めっちゃいいw
— なかがわ@ブログ ライター サイト運営 (@nkgw_official) 2019年1月10日
はあちゅうの新著 #仮想人生 (Twitter裏アカをえがいた小説) 発売と連動して登場人物の裏垢が稼働してる面白い仕掛けしてる。
とくに、童貞喰いのアカに対して、リアルに反応してる人多数で、知らない裏アカの世界を疑似体験できる。 pic.twitter.com/MjvV0sQkvV
— 山田 浩司 / boundary spanner (@kojiyamada) 2019年1月11日
・人妻の美香(@qW8FVDDHxcRu2SB)
・圭太(@4EzeVe7Xy6JxPkL)
・ナオ(@Fe3fqLA0kG5sBTX)
・ねね@童貞ハントFカップ(@pnDSa2xRL1fC1KZ)
・暇な医大生(@u7T7CHstWtnl36q)
それぞれのアカウントがこちら。
今まとめながらそれぞれのTwitter眺めていますが、自分が本を読み始めた頃よりもフォロワーさんが増えてる。笑
これ、それぞれの仮想人生が進んでいくのが面白いですよね。
小説という枠を超えた取り組みが今までにないと思いますし、シンプルに今後の進捗が気になってたりします。
こういった楽しみ方ができるのも仮想人生のユニークなところだなと感じてます。
裏アカを使う人の気持ちにフォーカスした小説

冒頭にも書きましたが、ツイッターは複数登録が可能なので、裏アカウントを持っている方も少なくありません。
裏アカウントを作る理由は人それぞれですが、その中の1つに「表のアカウントで出来ないことをするため」は間違いなく挙げられるはずです。
もちろんリアルでの人付き合いも大切ですが、リアルの友達に見せられない人格を表現し、そこで貰える反応はリアルでは得られないものでしょう。
そういった感情が行き交っていく様が本当に面白かった。
SNSを使ってる方には全力でオススメしたい1冊です。
…あとこれは完全に余談なんすけど、仮想人生のツイートをした時によく「ねね@童貞ハントFカップ」さんからいいねを貰えるんすよね。
も!もしかしてこれは俺のアカウントから漂う童貞っぽさが好感を与えてしまっているのだろうか!?!?きっとそこを八代くんと照らし合わせて俺をハントしてしまったに違いない……!!!(錯乱)
以上のことから、この「なかがわ」のキャラクターに行き詰まりを感じた際は、「童貞キャラ」への路線変更を鋭意検討致します←